技術コラム

2024.02.09

ボールねじの潤滑とグリスについて

ボールねじの潤滑について

ボールねじの作動を円滑にし、且つ摩擦・摩耗を出来るだけ少なくするため、使用条件に応じた適正な潤滑を施すことは極め重要です。

高速使用の場合は粘度の低い油、または基油粘度の低いグリスを、揺動や低速で使用する場合は基油粘度の高いグリスを選定するのが一般的です。

オージックでは初期封入グリスとして、Li石鹸基系〔基油粘度30~140cst(40℃),稠度2~3〕を標準採用しています。

 

補給期間について

補給期間は使用条件によって変動しますが、稼働初期においては2~3ヶ月で点検を行い、汚れや切粉混入の有無、異常などが無いかを点検します。その後、通常1年毎を基本として適宜補給または交換を行います。

 

補給方法について

特に専用の補給機器など使用しない場合は、ボールねじナットのグリスニップルからグリスガンで補給します。その際は事前に古いグリスや周辺に付着した異物・ゴミ・汚れなどを拭き取っておきます。

 

封入量

封入量はナット空間容積の50%を目安としますが、コントロールが難しい場合、ボールねじナットを動かしながら(グリスを隅々まで行きわたらせる効果があります)封入を行い、ナット周辺からグリスがはみ出るまで封入します。これでフルパックでの封入となります。

 

慣らし運転

補給や交換後はすぐに運転せず、慣らし運転を行います。グリスを十分なじませるとともに内部の余分なグリスを排出してから機械運転を行ってください。これは新たに封入されたグリスの撹拌抵抗により、ボールねじトルクが増大してしまう可能性があるためです。

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