技術コラム

2023.02.05

ボールねじと台形ねじの違い

ボールねじと台形ねじは”送りねじ”の一種

送りねじとは回転運動を直線運動に変換するねじのことで、位置決め送りに使用します。ボールねじとは、ねじ軸、ナット、ボールなどから構成される機械要素部品であり、ねじ軸とナットの間のボールが循環することで、より軽い推進力で転動させることができます。台形ねじとは、ねじ山の断面が台形になっているねじです。ボールねじより加工工程が少なく、短い納期で作れます。旋盤の親ネジやバルブ開閉用、ジャッキなどに多く用いられます。

ボールねじのメリット・デメリット

ボールねじのメリット

ボールねじのメリットは、ねじ軸とナットの間にボールが循環することで、より軽い力で転動させることができます。よって、摩擦の抵抗が少なく、始動時の駆動トルクが小さく、繰り返し位置決め精度が高く、微小送り・高速送りが可能です。また、バックラッシ(軸方向のすきま)が小さく、硬度の高い焼入れ部品を使用しているため剛性が高いです。

ボールねじのデメリット

ボールねじのデメリットは、構成部品が多く、加工工程が複雑なため高価です。また、摩擦抵抗が少ないため、ねじ軸を立てるとナットが自重で落下する可能性があり、ねじ軸からナットが外れる恐れがあります。なお、ねじ軸からナットが外れるとボールが脱落するので、容易に再使用ができません。

台形ねじのメリット・デメリット

台形ねじのメリット

台形ねじのメリットは、構成部品が少なく、加工工程がシンプルなため安価です。また、軸とナットを容易に分解することができ、面接触の為ナットが自重では落下せず、ブレーキ機構が不要です。

台形ねじのデメリット

台形ねじのデメリットは、ねじ軸とナットの溝が面接触となるため、摩擦抵抗が大きく、駆動トルクが大きいため、高速送りに不向きです。また、軸とナット間にバックラッシを設ける必要があるため、精度の高い繰り返し位置決めに向きません。

精密ボールねじの設計製作、メンテは当社まで

ボールねじ 修理・製作センター.comでは、NC旋盤をはじめとした工作機械用ボールねじの設計製作、修理実績を多数持ちます。ボールねじ 修理・製作センター.comを運営するオージックは大径・長尺ボールねじの製作を行っています。汎用型だけでなく特注ナットの製作も可能となり、1本からの小ロットから対応させて頂きます。修理の場合は、また軸径20φ~160φの転造or精密、自社製or他社製問わず幅広いボールねじの修理に対応しております。機械の早い復旧のため、納期要望にも最大限お応えしています。ボールねじの不具合が発生した場合、当社にお任せください。

 

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