用語集

た行

台形ねじ

台形ねじは、ねじ山の形状が台形のねじです。他のねじに比べて摩擦力が低いため、締結には向きません。 しかし加工が容易なため高精度な加工が実現できます。またバックラッシが小さく、強度が高いため動力の伝達などに優れます。 そのため加工機の送りねじや機械部品など、正確な運動伝達が必要になる場面で使用されています。 ボールねじは台形ねじと比べ、駆動の際に必要になるトルクが約1/3になるので、 回転運動を直線運動に変えたり、直線運動を回転運動に変えるなどの、運動に変化を与えることが容易にできます。 そのため高速で高効率な動きが必要になる場面に適しています。

タイミングベルト

タイミングベルトとは、回転運動を直線運動に変換する、駆動機構の一つです。ボールねじ同様、モーターによって発生する回転運動を直線運動に変換し、ワークの位置決めや運搬に利用されます。歯のついたゴムベルトと歯つきプーリを組み合わせて利用されます。 ボールネジと比較して、タイミングベルトは、軽量でメンテナンスがしやすいため、軽負荷の搬送に適しています。また、高速の位置ぎめ運動を行うことが可能です。一方で、変形しやすいため、大きな力を伝達することができないため、高負荷の搬送には適しません。高負荷の搬送は、ボールねじのほうが得意です。

ダブルアンカー

アンカーとは、コンクリートなどに何かを取り付けたり固定する際に用いるねじや釘のことです。物と物を留めたり、接続することに長けています。 ボールねじに対してもアンカーを使用することができ、特に軸受けに用いられます。ボールねじにおいてアンカーが使用される場合、 ボールねじの両端を固定する、ダブルアンカーと呼ばれる方式が活用されることがあります。ダブルアンカーにすることで、剛性が高まり、ボールねじが より深い負荷に耐えられるようになります。

転造ボールねじ

転造ボールねじとは、転造ダイスを用いてねじ溝を成型したボールねじのことをいいます。ボールねじは、ねじ軸の製造方法により分類わけでき、代表的なボールねじが「転造ボールねじ」です。一方で、研削によりねじ溝を成型したものは、研削ボールねじ(精密ボールねじ)と呼ばれます。転造ボールねじは、研削加工と比較し低精度となります。ボールねじはJISにより精度等級が定められていますが、転造ボールねじの場合は、C7~C10級になります。対して、研削ボールねじはねじ溝を精密に成型でき、仕上げ加工を行うこともあり高精度となります。検索ボールねじはC1~C5級で多く用いられています。転造ボールねじは研削ボールねじと比較し精度に劣りますが、製造工数も少なく量産性も高いため、低価格となります。

トルク

トルクとは、軸などの棒状の物が回転するときに発生する力のことを言います。ボールねじは回転運動を直線運動に変換する機械要素部品であり、軸が回転する際に生じる力がトルクです。ボールねじは、この駆動トルクがすべりねじ等と比較し小さいため、運動効率が非常に高い機械要素であるといえます。 モーター、ボールねじ、LMガイド(リニアガイド)を用いて物体を動作させる場合、モータートルクがどの程度必要になるのか計算して、各部品の選定を行う必要があります。