用語集

ら行

ラジアル荷重

一般的なボールねじの多くは、ボールねじの作動性能を損なわないようにするため、主にラジアル軸受の玉軸受が用いられています。 またボールねじ両端の軸受には、軸に対して垂直方向のラジアル荷重だけでなく、軸と同じ方向のアキシャル荷重の両方の荷重がかかるため、軸受の選定と軸受ホルダーの支持剛性が重要です。 ボールねじのねじ軸を支える上で、軸受を選択する際のポイントがいくつかあります。 まず力を受ける、推力として力を出すことができること、繰り返し動作での位置決めが可能であることが大事です。 また、ボールねじ自体の自重を支えられる軸受を選ぶことも重要です。一般的にはアンギュラ玉軸受や深溝玉軸受が選ばれやすいです。

ラビリンスシール

ラビリンスシールとは軸受や歯車などの潤滑油に異物が浸入したり、潤滑が漏れないようにするために封止するための部品です。 ラビリンスシールでは金属パーツを複雑な形状にすることで、その隙間に異物が入らないよいうな構造をしています。 また金属部品同士には隙間があり、直接接することがないため、非接触形シールと呼ばれます。モーターサイクルエンジンなどに使われている ラビリンスシールには、消耗しやすく、消耗するとシールの交換を行う必要があるものもあります。そのためにエンジンを分解する必要があるため、 費用と工数がかかるという欠点があります。

リード

ねじが1回転したときに、軸方向に進む距離を「リード」といいます。 ボールねじにおいては、ねじ軸が1回転したときに、ナットが軸方向に進む距離を「ボールねじのリード」といいます。ボールねじの精度は、JISで規定されており、リードの精度がボールねじの精度をを決める主項目となっています。また、リードの精度は、「累積代表リード誤差」と「変動(①ナットの有効移動距離又はねじ軸のねじ部有効長さに対する変動②ねじ軸のねじ部有効長さの間に任意にとった300mmに対する変動③ねじ部有効長さの間の任意の1回転に対する変動)」によって規定されています。

リターンチューブ式ボールねじ

ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する機械要素です。ねじ軸、もしくはナットに回転運動をさせることで、ねじ軸とナットの間にあるボールが転動し、直線運動へと変換されます。ボールねじ、ねじ軸、ナット、ボール等で構成されています。ボールねじの駆動には、ボールが無限に循環するための循環部品が必要になります。循環方式にはさまざまなものがあります。 リターンチューブ式ボールねじとは、ねじ軸とナットの間を転動しているボールが、ナット外周に組付けられた循環用の鋼管(リターンチューブ)の先端でねじ軸から取り出され、チューブの中を通ってねじ溝に戻すことで循環します。 小リードから高リードまで適応可能で、組み立てが容易なことから量産に適していますが、サイズが大きくなるという特長があります。

リターンプレート式ボールねじ

ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する機械要素で、ねじ軸とナットの間に鋼球が挿入されており、その鋼球が、回転運動をすることにより、駆動します。 そして、ナット内に挿入できる鋼球の数が限られているため、鋼球をナット内で循環させる必要があります。その循環方式により、ボールねじにはいくつかの種類があります。 リターンプレート式ボールねじとは、鋼球の循環用に成形したリターンチューブがナット外側に取り付られており、ナット内部のデフレクタによって、鋼球が取り上げられ、その取り上げられた鋼球がリターンプレートを通って、元のねじ溝に戻ることで循環をする方式です。

レイデント

レイデント処理とは、0℃以下での電気化学反応を活用した特殊表面処理技術です。 この電気反応により加工金属表面に、加工品を保護する働きのある合金的な拡散層を形成することができます。 この技術によって、製品の防錆力や耐久性寿命を数倍以上に向上させることができ、精度が要求される部品についてもレイデント処理を 行うことができます。また、金属製品のほとんどに対応しているので、非常に汎用性が高い処理です。 通常のメッキ処理では劣化により剥離が起こることがありますが、レイデント処理ではその心配はなく、半永久的に製品を保護し続けます。 ボールねじに対してもレイデント処理が可能で、ボールねじの消耗を抑えることができます。 レイデント処理は非常に高度な技術が必要な処理で、レイデント工業株式会社が主に行っています。