用語集

な行

ナット

ナットとは、締結部品の1つで、筒状の内側の部分に螺旋状の溝が入ってる部品を言います。ナットは通常、ボルト、ネジ、ビス等の部品と組み合わせて使われます。 ナットを「めねじ」、ボルト、ねじ、ビス等を「おねじ」と呼びます。 ナットには六角ナットや高ナット等様々な種類があり、用途によって使い分けます。 ボールねじにはボールねじナットが用いられ、ねじ軸とナット間でボールが転がり運動をします。そのため、高い機械効率が得られるのが特徴です。ボールねじにも、使用するボールねじナットのボールの循環方式によってさまざまな種類があります。

縄跳び現象

ボールねじには、曲がり、自重によるたわみを持っています。ボールネジの両端を固定して、ボールネジの回転速度をあげていくと、そのたわみが大きくなり、縄跳び現象が発生してしまいます。回転速度が上がりすぎると、たわみが大きくなりすぎて、回転軸を破損してしまうことがあります。回転軸が破損してしまうような回転速度を危険速度と言います。ねじ軸が小径で長尺の細長いボールねじほど、危険速度が小さいので特に注意が必要となります。ボールねじのねじ軸設計する際は、縄跳び現象が起こらないように留意する必要があります。

熱膨張

ボールネジの精度を決める要因として、重要なものにリード精度がありますが、他にも、発熱による熱膨張、熱変位も重要な要因になります。ボールネジが駆動中にねじ軸の温度が上昇すると、ねじ軸がその熱によって伸びてしまい、位置決め精度を低下させる要因となってしまいます。そのため、高精度な位置決めが必要な場合は、温度の上昇対策が必要になります。対策としては、発熱を抑える、温度上昇の影響を抑えるの2つの方法があります。具体的には、支持軸受の予圧を小さくする、リードを大きくし回転数を下げる、ネジ軸の外周面の冷却、ボールねじの基準移動量の目標値をマイナスにしておく、ネジ軸にプリテンションを与える、などが考えられます。

粘性摩擦

粘性摩擦とは、潤滑剤の粘性や粘弾性によって起こる摩擦のことを言います。 ボールネジの機械効率は、摩擦に大きく影響を受けます。ボールねじの機械効率のに影響を与える摩擦には様々あります。ボールとねじ溝の間の摩擦、ボール同士の摩擦、循環機構の摩擦、そして潤滑剤の粘性摩擦があります。 摩擦が大きいと、ボールネジの精度や機械効率に悪影響を与えてしまうことがあるため、摩擦が大きくならないように気をつける必要があります。その際には、潤滑剤による粘性摩擦も考慮に入れておくことが大切になります。