技術コラム

2025.09.29

修理納期を短縮するための依頼前チェックリスト!図面・データの準備方法

ボールねじ修理を依頼する際、「できるだけ早く復旧したい」という要望は非常に多く寄せられます。しかし、実際の修理現場では、ご依頼時の情報不足が原因で納期が延びてしまうケースが少なくありません。修理内容の判断に必要な情報が揃っていれば、見積りから加工・検査までスムーズに進めることができ、納期短縮にも直結します。本記事では、ボールねじ修理の依頼前に準備しておくべき図面やデータをチェックリスト形式でご紹介します。


1. 図面の有無

まず確認していただきたいのが、ボールねじの製品図面の有無です。外形寸法やリード、ナット形状などの情報が正確に把握できれば、修理の可否や代替製作の判断が早まります。図面がなくても修理は可能ですが、その場合は分解・測定に時間がかかり、納期が延びる要因となります。手元にあるカタログ図面やメーカー発行の仕様書でも構いませんので、可能な限り添付してください。


2. 製品の基本情報

依頼時には、以下のような製品基本情報をまとめておくと大変有効です。

  • ボールねじの種類(精密級か転造級か)
  • リード(ねじの進み量)
  • ねじ径・全長・有効ストローク
  • ナット形式(循環方式、有効巻き数など)
  • 使用機械の名称や型式

これらの情報があるだけで、修理担当者は即座に対応可否や加工方法を判断できます。


3. 使用状況とトラブル内容

「どのような不具合が発生しているか」を正しく伝えることも重要です。
例えば、異音やガタつきがあるのか、回転が固着しているのか、摩耗が激しいのかなど、不具合の症状によって修理方針は大きく変わります。また、使用環境(粉じんの多い現場か、高温下か)や使用年数、潤滑方法も合わせて伝えると、状況診断の精度が高まります。


4. 納期条件の明示

納期を短縮するためには、「いつまでに必要か」を明確に伝えることも欠かせません。緊急案件であれば、仮の代替品提案や優先加工の検討が可能です。逆に「特に急がない」と伝えれば、コストを抑えたスケジュールで修理を進められる場合もあります。


5. 写真や現物の送付

図面がなくても、現物写真や主要寸法を測定した簡易スケッチがあれば、初期判断が格段に早まります。特にナット部や損傷箇所のアップ写真は有効で、現物を発送する前の事前診断に活用できます。


まとめ

修理依頼前に「図面」「基本仕様」「不具合内容」「納期条件」「写真」の5点を準備しておくことで、見積りや作業判断が迅速になり、結果的にボールねじの修理納期を大幅に短縮できます。逆に、情報が不足したまま依頼すると、確認作業や追加調査が必要となり、復旧までの時間が延びてしまいます。

当社「ボールねじ修理・製作センター.com」では、図面や情報が不十分な状態でも対応可能ですが、事前にチェックリストをご活用いただければ、よりスピーディーなボールねじの修理をお約束できます。突発的なトラブルで生産ラインを止めないためにも、日頃から必要情報を整理しておくことをおすすめします。

オージックが運営する「ボールねじ 修理・製作センター.com」では、100年以上培った専門技術と豊富な実績をもとに、他社製品を含む幅広いボールねじの修理・オーバーホールをはじめ、大径・長尺ボールねじの設計・製作に対応しています。

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